リカンベント旅行記-南関東一周コース
水戸市 大畠邦博
旅行コース: 水戸自宅(51号線)→銚子大橋(海岸道路、サイクリング道)白子→金谷→久里浜(フェリー)→横浜→新橋(国道1号線)→水戸自宅(国道6号)
日時: 2010年5月1日朝~5月3日深夜
私の個人的イベント、それはゴールデンウィークでのサイクリングひとり旅だ。
今まで水戸を起点に日光戦場ヶ原や房総半島一周などに何度もチャレンジしてきた。
Windriderを購入したのは2年前で、これまで近場を走っていたが、登りに強く、疲れにくいことがわかり、今回三日間で約500㎞の南関東一周コースをトライした。
5月1日 次男を抱いてしばしの別れを告げ水戸の自宅を出発。
国道51号線を東南に向かう。 15分くらいで大洗に到り、緩やかな登りとなる。 ここを登りきると、一気に太平洋が眼前に広がる。 リカンベントならではの雄大な眺望だ。 大洗港に向かって下りきったところで、道は緩やかに右に曲がり海岸線とほぼ平行となる。鉾田に入ると51号線からそれて、県道16号線を北浦に沿って走る。 沢山の鯉のぼりが空を舞っているのが目に入り、家に置いてきた二人の息子を思い出した。 鹿島を過ぎ124号線に沿って銚子を目指す。 銚子大橋を渡ったところで、銚子漁港の市場のすし屋に立ち寄り少し早い昼食を取る。 ネタが新鮮で大きく、安い。 私が食事を終える頃には、客が店先で列をつくっていた。 さあ出発。
犬吠埼を海岸線に沿って周り、左前方に屏風ヶ浦が見えたところで銚子ドーバーラインに入る。 この道路は屏風ヶ浦の上を走っており、左手と左前方に海が穏やかに広がって見える。 アップダウンがあり、最後の坂から見える眺望はすばらしいが結構勾配がきつい。 ドーバーラインが終わり126号線に入る。 126号線を6-7㎞下ると飯岡漁港方面に向かう県道30号線との左折分岐点に差し掛かり、これを左折。
飯岡漁港を過ぎたところで10数㎞続く飯岡九十九里サイクリング道路に入る。 海と空と自分の一体感は何とも言えない。 九十九里町片貝でサイクリング道路が途切れ、漁師の魚屋が点在する県道30号線をひたすら走る。 蓮沼海岸付近からまた眺望が開け、午後4時過ぎ白子の太陽の里に到着(ここまで155㎞)。
5月2日 朝8時前に出発。 白子から県道30号線を南下して行くと、九十九里浜が終わるあたりで128号線に合流する。 岬町長者でサイクリング道に入るため左折。 日在浦を過ぎ八幡岬を周ったところで再び128号線に戻る。 勝浦湾が見え始めた。 凪いでいるとはいえそそり立つ岩壁に波が押し寄せて白く弾けている。 道路は右から297号線が合流して込み始める。 行川アイランドを過ぎたところで、絶景を求めて”おせんころがし”の付近を走る脇道に入る。 車の通行が殆どなくほどよい場所を見つけてパンと牛乳で昼食(写真下)。
車と人で混雑している鴨川シーワールドを過ぎるとフラワーラインに入る。 千倉、野島崎と美しい海岸線が続く。 外房海岸沿いに洲崎を周って館山を過ぎ、15時前金谷港フェリー乗り場着(約150㎞、この間巡航速度は30㎞/h)。
金谷からは約40分の船旅(写真左下)を楽しんで久里浜着。
まだ暮れてはいなかったので三浦海岸まで足をのばした。 その後、久里浜に引き返し、ビジネスホテルに投宿。
5月3日 久里浜から観音崎、走水をへて海岸沿いに横浜に向かい、横浜の赤レンガ通り(写真右上)に立ち寄った後、国道1号線に入る。 この日は風が強く、えらく飛ばす人を見つけてスタミナを温存した(巡航速度は38km/h、写真左)。
16時頃新橋の居酒屋着(つまみのみを食してエネルギーチャージ、写真左下)。 17時出発、日本橋からは国道6号線を水戸までただひたすら走るのみ。 6号線は取手付近まで車の交通量が多く、特に松戸から我孫子にかけてアップダウンを伴った長い登り坂があり、日が暮れる前に我孫子を通過したいと思っていたが、Windriderのお陰で難なく切り抜け、23時頃水戸の自宅着。 (最終日:約190㎞)。 二人の息子はすでに寝ていた。 当然妻に感謝。 全走行距離:515㎞。
あとがき
リカンベントとロードバイクについての私感
基本的にストップ&ゴーを繰り返すような乗り方をする場合には、リカンベントよりもロードバイクの方が向いていると思う。 しかし、長距離を巡航するような目的ではリカンベントの方が有利という印象が強い。 特に眺望を楽しむという点ではリカンベントはロードバイクをはるかに凌ぐ。
ロードバイクの場合には前傾姿勢で常に首を起こす姿勢が要求される。 今回のように周囲の状況が大きく変化するコースでは、これをロードバイクで同程度の時間内に走りきる根性は40歳代半ばの私にはない。
Windriderについて
SDVの駆動機構は脚力を生かしやすいので長距離には有利だ。 その上登坂能力もあり、他の欧米製のリカンベントと乗り比べてみても、トップクラスだと思う。 公道を走る時のWindriderのシートと目線の高さは国内の道路を前提として設計されており、車との相互視認性が優れている。
今回のコースは多少のルートの違いはあるものの、私にとっては3回目に当たる。 これまでの機種はトライクとロングホイールベースリカンベントであった。 快適性という面ではロングホイールベースのリカンベントに一歩譲るが、疲労感についてはWindriderが一番少なかったように思う。 旅行から帰った翌日も疲労が蓄積された感じはなかった。 家族の冷やかな視線にもめげず、自転車道楽を続ける私はリカンベントを10台以上所有しているが、 その中でもWindriderは純国産ならではの作りの良さと安心感があって好感を持っている。 設計者の織田さんがエンジニア出身ということもあってアルミの材質にまで拘りをもっていて、部材の選定から溶接までオーバースペックな印象さえある。 フレームの断面は円形ではなく楕円、リアエンドは分厚いアルミ合金板が用いられていて非常に強固な作りだ。 したがって、体重が90kgありスクワットで180kgをけり上げる私であるが、Windriderに不安を覚えた事はない。